「文法」っていうと、あなたはどう思われるでしょうか。

受験英語が嫌いな人や、英会話に文法は必要ない!って言う人からすると、「文法」というのは嫌な感じがするかもしれません。

 
中には文法が好きな方もいらっしゃると思います。

世間では、文法は必要なのか必要ではないのか、という論争をたまに聞きますが、ここではそれはちょっとおいておきます。

文法に関して私が言いたいのは、「文法は理屈を理解するだけではダメ」ということです。

ちょっと下の例題を見て下さい。

私は( )好きです。

A猫に

B猫と

C猫が

D猫

 
さて、どれが入るでしょう?

考えるまでもなくCですよね?

では質問です。

さっきの問題を、どうやって解きました?

理屈で考えました?

ちがいますよね。

見た瞬間に反応したはずです。

私は、こういう力こそが文法力だと思っています。

理屈で考えているうちはまだまだ知識のレベルです。

文法はしっかりと体得しなければなりません。

文法を体得する方法~音読筆写~

文法は何度もCDを聞いたり、文法書の例文を何度も音読したり、何度も書き写したり、同じような例文を大量に読んだり、ということをすれば体得できます。

結局は「すり込み」なので、こういうことをした方がいいです。

特にTOEICのスコアが500以下の方は、文法の例文すり込みを中心にトレーニングした方がいいかもしれません。

すり込む方法やスタイルはいろいろあるので、その人に合ったやり方でやればいいと思います。

それでも最初のうちは、どうすればいいかよくわからないと思うので、1つだけかなりおすすめなやり方を紹介します。

 
「音読筆写」というトレーニングをあなたはご存知ですか?

私はこれを鹿野 晴夫先生の「TOEICテスト300点から800点になる学習法」という本で知ったのですが、

英文をすり込む時にはかなりおすすめです。

やり方は、音読しながら書く、というものです。

1つの例文につき5回くらい連続で、音読しながら書きます。

その直後、何も見ないようにして、英文を口から出してみます。

これを、「空んじる(そらんじる)」といいます。

これができなかったら、また5回くらい音読筆写して、また空んじます。

 
これを文法書の基本例文などで最後までやってみて下さい。

これで文法完全マスター! とはいきませんが、かなり手ごたえを感じるはずです。

もちろん、中学生や高校生にもおすすめです。

 
さらにこんな方法もあります。

文法書の例文を使って、

①訳を読む

②英文を何度か音読する(頭の中でやってもいい)

③英文を暗唱する(頭の中でやってもいい)

④英文を書く

 
③と④の時は、英文を絶対に見ないで下さい。

また、③の時はできるだけ頭の中に文字を思い浮かべないようにして下さい。(音を覚える感じでいいと思います)

 
この方法は、実はライティングのプロセスになっています。

日本語を書く時やメールをする時、書く前に頭の中で文章を音声化しているはずです。

例えば「ちょっと遅れます」ってメールをする時、「ちょっと遅れます」って頭の中で音声にしてから文字にするはずです。

つまり、

意味 → 音 → 文字

 
というふうになっています。

これが、

①訳を読む

②英文を何度か音読する

③英文を暗唱する

④英文を書く

 
このプロセスでは、

意味 ①訳を読む

   ②英文を何度か音読する

音  ③英文を暗唱する

文字 ④英文を書く

 
こんなふうになっているんです。

もちろん、意味は日本語訳でないことが理想ですが。

 
あと、②は③をするためにやっているので、同じ文法書を何回かくり返していると回数が減っていきます。

そして最終的には省略できるようになります。

この時、①→③(意味→音)という理想的な形になります。

この方法はちょっと精神力を使いますが、もしかしたら音読筆写よりも効果があるかもしれません。

中学生や高校生なら、問題集や文法書に載っている基本例文を1回ずつやるだけで効果が出てきます。

同じ本を何周かやって、②が省略できれば最高です。

また、TOEICの問題集のPART2でもやりやすいと思います。

まあどのようなやり方をするにしても、「体得する」ということを忘れないで下さい。

書き写せばリーディング力も伸びる!

もう1つ、音読筆写というか「書き写す」ということに関して、英語を読む力にも効果があるという実例をご紹介します。

何年か前、千田潤一先生が「英語が使える日本人TOEICテストスコア別学習法」という本で、「英文を書き写せば、その英文は訳さずに読めるようになります」とおっしゃっていました。

その時、TOEIC700点ぐらいだった私は、それを試してみました。

たしかにすらすらと、日本語の介入なしで前から読めるようになります。

しかし、TOEIC700点という「そこそこ」の実力だからこそ可能だったのかもしれない、とも思っていました。

 
それから何年か経って塾で英語を教えていた時、生徒に試しにやってもらう機会がありました。

教科書の1つのLESSONの1つのPART(150wordsぐらい)を、訳や単語の意味を教えて理解させた後、その英文を書き写してもらいました。

そしてそれが終わった後、その英文を黙読してもらいました。

その生徒はびっくりしていました。

どうやら、英文を訳さずにすらすら読めたようです。

ちなみにこの生徒は当時、偏差値40ぐらいの高校2年生でした。

 
やはり書き写すと、その英文はすらすら読めるようになるようです。

この時は「筆写」だけでしたが、「音読筆写」だとより効果が高いと思います。

つまりこういうふうにして、すらすら読める英文をどんどん増やしていけば長文を読むのがどんどん楽になっていきます。

英語には文法も文の構造も、無限にあるわけではありませんから。

もちろん1度書き写しただけでは時間が経つにつれて「スラスラ感」は薄れていくので、たまに復習として、読んだり音読したりした方がいいかもしれません。

 
同じ長文を何度も書き写すのもいいと思います。

それとも「一期一会」みたいな感じで、次から次へと長文を処理してくのもアリです。

どちらにしても「書き写す」ということをやれば、かなり読むのが得意になっていきます。

英語が苦手な方も、苦手じゃないけどもっと英語力を伸ばしたい方もぜひやってみて下さい。