英語リスニング

リスニングができない場合、大きく分けて2つの状態が考えられます。

1つ目は「聞くだけでは理解できないけど、同じ文章を文字として読めば理解できる」という状態。

2つ目は「聞いても理解できないし、同じ文章を文字として読んでも理解できない」という状態です。

2つ目に関しては英語を理解する力が足りません。

なのでゆっくりでもいいので、まずは英語を理解できるようにしましょう。

【英語リーディング上達法】初心者でも英語を英語のまま理解する方法

この記事では主に1つ目の場合の改善方法をご紹介します。

 
文字として読めば理解できるけど、音として聞くと理解できないという場合、

その音がどんな文字なのか、またはその文字がどんな音なのか、を理解できていません。

つまり「文字と音を一致させる」というのが重要なんです。

これができない原因はやっぱり、英語の音にあまり触れていないということも考えられますが、学生時代のリスニング経験なども関係してそうな感じがします。

目次
古き悪き学校のリスニング対策
文字と音を一致させるトレーニング法
アイ・シャドーイングとオーバーラッピングの具体的なやり方
おすすめの参考書&素材などは?
ここから多読が効果を発揮します
【ちょっと上級編】本当のリスニングとは?

 

古き悪き学校のリスニング対策

ここからちょっと学校のリスニングについてお話するので、興味の無い方は飛ばして下さい。

実際のトレーニング法のご紹介はこちら↓です。

文字と音を一致させるトレーニング法

 
今現在リスニングが苦手な人が多いのは、やっぱり中学・高校であまりリスニングをしなかったというのが一番の原因です。

ここからは「一般的な学校の先生について」ちょっと意見を言います。

ちなみに多くの塾の先生にも当てはまります。

もちろん全ての先生が当てはまるわけではありませんし、今はネイティブの先生が増えたりして改善していることもあります。

 
学校の先生は、基本的に「リスニングテストがあるからリスニングの練習をする」というスタンスの人が多いです。

つまり、リスニングテストの無い学校の中間テストや期末テストでは、「リスニング」ということはほとんどやりません。

例えば英検などの、リスニングテストがある試験を受けさせる場合には、一応「リスニング対策」をするわけです。

ところがその「リスニング対策」というのは、基本的に「問題を解くだけ」だったりします。

先生の説明も「どのように問題を解くか」とか「この部分に注意して聴きましょう」とか、

そういうのが中心で、肝心の「リスニング力はどうすれば伸びるか」ということを説明しません。

 
そして生徒が「リスニング力を伸ばすにはどうやって勉強すればいいんですか?」って聞くと、

「リスニングの問題集を解きなさい」とか「NHKラジオを聴きなさい」とかひどい場合には「英語のニュースをつけっぱなしにしなさい」とか

そういうアドバイスをする方が多いです。

基本的に先生本人が、リスニングができないですからね。

 
そしてさらに、残念ながら学校の先生は発音があまり良くない方が多いです。

私は塾で英語を教えていたことがあるのですが、発音の良い先生はいませんでした。

一番発音が悪かった先生は、

something

さむしんぐ

と発音していましたし、

interesting

いんてれすてぃんぐ

と発音していましたし、

sea と she を両方とも

しー

って発音していました。

35歳ぐらいの先生です。

そして他の先生はというと、ほぼ全員が、英文を発音する時に「単語を1つ1つ発音してしまう」という欠点の持ち主でした。

リエゾンとかは一切無視で。

そういうわけで、そんな環境で英語に触れていた人は、
リスニングができるようにならないのです。

けっこう先生をバカにしたようなことを書いてしまいましたが、これは先生が悪いわけではなく、やっぱり日本の英語教育に問題があるのです。

文字と音を一致させるトレーニング法

ではここから文字と音を一致させる効果的なトレーニングをご紹介します。

まず最も簡単なトレーニング法としては、アイ・シャドーイングがあります。

念のためにシャドーイングから説明しますね。

 
シャドーイングというのは、英語の音声を聴きながら、
わずかに遅れて声に出すことです。

これは通訳のトレーニングとして有名で、TOEIC対策としても有効なトレーニングなんです。

 
で、アイ・シャドーイングっていうのは、英語の音声を聞きつつ、英文を目で追うというトレーニングです。

声に出す代わりに目を使うんですね。

これは初心者の方におすすめのトレーニングです。

本当はシャドーイングをするのが理想なんですが、シャドーイングは初心者の方には本当に難しいですから。

 
アイ・シャドーイングをするということは、その英文を強制的に正しい音で読まされるということです。

さらに強制的に、それなりのスピードで読まされるということでもあります。

なのでかなりいいトレーニングになりますよ。

でも最初の方は、意味を意識するのが難しくて、文字を目で追うのが精いっぱいになるかもしれませんが。

ちなみにこのアイ・シャドーイングという名前は、千田潤一先生や鹿野晴夫先生の本に載っていました。

 
それともう1つおすすめのトレーニング法があります。

それがオーバーラッピングです。

オーバーラッピングっていうのは、英語の音声を聴きつつ、英文を見ながら同時に音読するっていうトレーニングです。

要するに音声といっしょに音読すればいいわけです。

アイ・シャドーイングに「声を出す」という要素が加わったんですね。

これは結構難しいトレーニングで、初心者の方だと10~20回ぐらいやらないとうまくできないかもしれません。

でもこれを英語の音声と同じスピードで楽にできるようになると、その英文に関しては完全に文字と音が一致している状態になります。

それと「自分が発音できる音は聞き取りやすくなる」ということでもあるので、リスニングがやりやすくなります。

あとはそういう英文の量を増やしていくことで、初めて見る英文でも、文字を音声化できるようになりますし、音声を文字化できるようになります。

リスニングの時でも「ああ、これはこの文章か」みたいな感じで。

これはきついトレーニングですが本当に効果的なので、ぜひやってみて下さい。

アイ・シャドーイングとオーバーラッピングの具体的なやり方

具体的なやり方をご説明します。

まずその英文をしっかりと理解します。

具体的には英文を1文ずつ、日本語 → 英語 の順で読んでいって下さい。

もし日本語を読んでも英文が理解できないのであれば、その英文でトレーニングするのはまだ早いです。

 
そういうふうにして英文を理解した後で、アイシャドーイングして下さい。

何度かアイ・シャドーイングしたら、次はオーバーラッピングをして下さい。

本当にきついトレーニングですが、頑張ってやってみて下さい。

自分の英語の発音が、どんどんキレイになっていくのがわかると思います。

 
ちなみにオーバーラッピングが難しければ、オーバーラッピングと音読(英語音声を使わない、普通の音読)を交互にやるのもおすすめです。

わりとゆっくり音読することにより、オーバーラッピングも少しずつできるようになります。

楽にオーバーラッピングができるようになれば、その英文は終了です。

もしかしたら50~100回ぐらいやることになるかもしれません。

 
ひとつの英文(長文)が完成したら、次々に、どんどんオーバーラッピングできる英文を増やしていって下さい。

これで文字と音が一致して、リスニングもできるようになります。

ちなみにオーバーラッピングができるようになった英文で、シャドーイングをやってみるのもおすすめです。

 
このトレーニングにひとつ問題があるとすれば、意味を意識するのを忘れがちになるということです。

初心者の方がオーバーラッピングをやっていると、音についていくのがやっとで、意味を意識する余裕はないはずです。

これはこれでリスニング力が伸びていくのですが、やっぱり意味をしっかりと意識した方が効率良くリスニング力を伸ばしていくことができます。

なのでちょっと工夫してみましょう。

例えばオーバーラッピングをやりつつ、「英文を1文ずつ 日本語 → 英語 の順で読む」というトレーニングを組み込んでいくのです。

オーバーラッピングを5回やる

英文を1文ずつ 日本語 → 英語 の順で読む

オーバーラッピングを5回やる

英文を1文ずつ 日本語 → 英語 の順で読む

オーバーラッピングを5回やる

英文を1文ずつ 日本語 → 英語 の順で読む

・・・

 

みたいな感じで。

日本語 → 英語 の順で読む時は、ゆっくりと読んでいいので、意味をしっかりと意識するようにして下さい。

慣れてきたら、日本語は読まなくてもいいかもしれません。

 
こんなふうにして文字と音を一致させて、さらに文字と意味を一致させると、リスニングがどんどんできるようになります。

おすすめの参考書&素材などは?

初心者の方におすすめの参考書などをご紹介しておきます。

速読速聴英単語

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まず速読速聴英単語。

これは定番ですね。

BasicやDailyが使いやすいと思います。

こういう教材は無理して全ての英文を使う必要はありません。

例えばBasicだとPart1が「中学英語」なので、その部分だけをやってみるというのもいいでしょう。

Dailyだと好きな英文を中心にやってもいいと思います。

どちらをどんなふうに使うにしても、合計で60分ぐらいの音声をこなせれば本当にすごいです。

30分でもいいかもしれません。

速読速聴・英単語~それぞれのレベルと使い方・勉強法~

英会話・ぜったい・音読

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これも定番。

中学・高校の教科書なので、やりやすいと思います。

音声のスピードも遅いですし。

ただ英文の量が少ないので、1冊全部やってもいいかもしれません。

それとトレーニング法も紹介されているので、そちらを中心にやっても大丈夫です。

「英会話・ぜったい・音読」の驚くべき効果と本当のレベルとは?

DUO

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教材は長文形式ではなく、短文でもいいです。

DUOなら60分程度の音声の中に、単語と熟語がかなり入っているので、語彙力を高めたい人にはおすすめです。

CDが別売りなのは残念ですが。

DUO3.0

 
 
それと、このトレーニングでは英文を読む前に日本語訳を読むことになるのですが、上の方でも言いましたが、

もし日本語を読んでも英文が理解できないのであれば、その英文でトレーニングするのはまだ早いです。

なのでその場合は基本的な文法を復習するようにしましょう。

ここから多読が効果を発揮します

オーバーラッピングなどのトレーニングをして、文字と音がある程度一致すると、多読がかなり効果的になります。

文字と音が一致していない場合、英語を黙読しても頭の中の英語の音はデタラメになりがちです。

でも文字と音が一致してくると、話が変わってきます。

文字を黙読した時に、頭の中に流れる英語の音が正しい音になっているので、まるでリスニングしたような感じになるのです。

つまりたくさん読むことが、たくさん聞くのと似たような効果になるということです。

もちろん完全にイコールになるわけではないのですが、多読でリスニング力を伸ばすことができるということは、覚えておいて損は無いと思います。

【ちょっと上級編】本当のリスニングとは?

ここから先はちょっと上級編の話になります。

いきなりここを目指す必要はないので、とりあえず記憶の片隅にいれておくだけで大丈夫です。

 
「リスニング」とはどういうことなのか、ということをちょっと考えてみましょう。

リスニングというのは、その言語を聞いて理解することです。

当たり前ですよね?

ではもうちょっと詳しく、例を挙げながら説明します。

私の知り合いのTOEICのスコアが750ぐらいの人が、どうしてもリスニングが苦手だと言っていました。

私ももちろん、そのくらいのスコアの時は、得意ではなかったです。(今もめちゃくちゃ得意というわけではないですが…)

でも私は今、昔よりもはるかに聞き取れるようになったわけです。

で、昔と今と何が違うんだろうって考えてみたんです。

それでとりあえず、結論というか、まあそんな大げさなことではないですけど、ちょっとした発見がありました。

それは、リスニングが苦手な人は聞こえてきた音声を頭の中で文字化しようとしている、ということです。

私もそうでしたし、そのTOEICで750点ぐらいの人もそうでした。

 
よく考えてみると、聞き取れた音を頭の中で文字化するって、ものすごく大変ですよね?

試しに日本語でやってみて下さい。

日本語で誰かと話している時でも、テレビを見ている時でも、いつでもいいので聞こえてきた日本語を頭の中で文字に直してみて下さい。

文字を思い浮かべるんです。

どれだけ大変なのかがわかっていただけると思います。

 
でも私達は「英語のリスニングが苦手」という時代に、英語でそれをやってしまっています。

あ、一部の帰国子女とか、小さい頃から英才教育を受けたとか、そういう人は除きますよ。

いわゆる普通の、中学から英語を習って、受験で英語を使った人達です。

そのほとんどの人が、リスニングの時に聞き取れた音を頭の中で文字化してしまっているのです。

これは私達2人だけではなく、私が塾で英語を教えていた時に、高校生達で確認済みです。

 
ところが私の場合、TOEICのスコアが850ぐらいの頃に、その頭の中で文字化するっていうことをしなくなったような気がします。

つまり英語を音だけで理解できるようになったんです。

日本語でも音だけで理解していますよね?

この音だけで理解する、っていうのが本来の「リスニング」なんです。

 
分かりやすく図で説明すると、リスニングの時は、

ノンネイティヴ: 音 → 文字 → 意味

ネイティヴ: 音 → 意味

 

ということになります。

それでこの、音 → 意味 という状態をどうやって作るのか、っていうのがリスニングのトレーニングでは大事なんです。

上の方で文字と音を一致させたので、今度は音と意味を一致させるわけです。

つまり文字を経由させないようになるわけですね。

 
それではどうやって、この 音 → 意味 という状態を作るか、っていうことを説明します。

この状態を作る方法のひとつが「多聴」です。

できるだけ簡単な英語を、たくさん聴くようにします。

もちろん頭の中で文字にしないように意識しながら、内容を理解しようとして下さい。

これで少しずつ音を意味が一致するようになります。

使う教材は上で紹介した「速読速聴英単語」や「英会話・ぜったい・音読」でもいいですし、

graded readersのCD付きのものでもいいです。

graded readersをAmazonで見てみる

 
それと実は、この音を意味を一致させるもうひとつの方法があります。

それが「多読」です。

なんで読むことが音と意味の一致に関係あるのか?と思うかもしれませんが、まあもうちょっと説明に付き合って下さい。

 
日本語の文章を読んでいる時のことを考えてみて下さい。

速読したり、新聞で何かの情報を探す様に読んだり、
そういうことをせずに普通に「読む」ということをした場合、

私達は日本語を「頭の中で音読」しているはずです。

つまり、 文字 → 音 → 意味 という状態になっています。

ところが英語が苦手な初心者の方の場合、そういう状態になっているでしょうか?

多くの人は、正しく音声化できないのではないですか?

やっぱり大学受験の勉強で、難しい英文をまるで暗号文を解読するかのように日本語に訳す、ということをした人ほど、正しく音声化できない傾向にあるようです。

もちろん私のように、大学受験の時にまともに勉強していなくても、音声化はやっぱり苦手だと思いますが。

つまり私達のようにリスニングが苦手な人は、英語を読む時に、

文字 → 意味

とか

文字 → 日本語 → 意味

とか

文字 → 暗号文解読技術?(+音?) → 日本語 → 意味

とか、

そんなふうになっているのです。

音の要素が正しく再生されていないんですね。

これが実はリスニングができない原因の1つでもあるんです。

分かりやすく図で説明すると、リーディングの時は、

ノンネイティヴ: 文字 → 暗号文解読技術?(+音?) → 日本語 → 意味

ネイティヴ: 文字 → 音 → 意味

 

ということになります。

でも、上の方で文字と音が一致したら多読が効果的になることをご紹介しましたよね?

文字と音が一致すると

文字 → 音 → 意味

ができるようになります。

つまりその一部である

音 → 意味

もできるようになるのです。

 
よく「精聴をしっかりやってから多聴だ」とか、「精読をしっかりやってから多読だ」とか言いますけど、

あれはこういう意味でもあるんですね。

 
ちなみに頭の中で音声化しない「速読」みたいな読み方もありますが、

ああいうのは基本的に読む力が身についてからです。

最後に

さて、リスニングについて色々語ってきましたが、いかがだったでしょうか?

特に上級編の部分は、ちょっとこんがらがるかもしれませんね。

このブログは主に初心者の方向けに書いているので、あの上級編が必要な人はいるんですかね?(笑)

まあ単なる読み物として、「ふーん」ぐらいに思ってて下さい。